注文住宅の建築コストを安く抑える方法とは?注意点もチェック
注文住宅は、多くの人にとって一生で一番の大きな買い物です。可能な限り建築コストを安く済ませたいのではないでしょうか。しかし、住宅には、コストを削減しないほうがいい設備もあるため、よく考えて設計しなければなりません。この記事では、注文住宅の建築コストを安く済ませる方法について詳しく解説します。
注文住宅を建てる際にかかる費用の内訳
注文住宅のコスト削減を考える前に、費用の内訳を確認しておきましょう。注文住宅を建てるには、建物の建築費用のほかにも多くの費用がかかります。
土地購入費用
注文住宅の総費用のなかで、土地の購入費用は大きな比率を占めます。地価の高い都心などでは、土地の価格は非常に高額になる可能性が高いです。また、土地の購入費用のほかに、土地の整備費用がかかる場合があります。地盤が弱い場所に住宅を建築する際には、土地を改良する必要があるからです。
建物本体の建築費用
住宅本体の建築費用です。基礎、外装、内装工事などの住宅の基本的な費用を考えなければなりません。次に、日常生活のなかで必ず必要となる、電気、ガス、水道を設置する費用が必要です。
その他諸費用
注文住宅を建築するには、土地と建物を建てる費用が必要ですが、それだけではただの大きな箱でしかありません。法的な手続きを行い、所有権を明確にする登記の手続きが必要です。不動産を登記するためには、登記免許税と印紙税が必要です。
また、登記は多くの場合、司法書士に依頼して実施するため、司法書士へ支払う報酬が別途かかります。司法書士に依頼せず自分で登記することも可能ですが、法律の知識が必要であるため現実的ではありません。
注文住宅の建築コストを安く抑える方法
注文住宅は建売とは異なり、間取りや設備などを自由に設計できるというメリットがあります。しかし、希望の間取りや設計をすべて叶えると、費用が高額になってしまう可能性があります。建築コストを抑えつつ、理想の住宅に近づけるにはコツがあるため、しっかりと確認しておくことが重要です。
できるだけシンプルな間取りに設計する
シンプルな間取りにすることが、建築コストを削減するのに効果的です。延床面積が同じであれば、凹凸の少ない設計のほうがコストを抑えられます。とくに、総2階にすることが効果的です。正方形に近く、1階と2階の面積が同じ総2階にしたときに、使用する建材はもっとも少なくなります。
総2階にすることで、基礎工事の工程が抑えられ、建築コストを抑えられるとされています。また、基礎の量を減らすため、同じ延床面積であれば、平屋よりも2階建てを選択しましょう。
予算をしっかりと決め、総費用を契約前にチェックする
建築費用がかかりすぎて予算オーバーとならないように、予算を決定してから見積書確認し、契約することが重要です。見積書に、オプションを含めたすべての金額が含まれており、予算内におさまっているかをしっかりと確認しましょう。
また、不明瞭な部分は確認し、はっきりさせておくことが予算オーバーを防ぐために必要です。
余裕を持った工期に設定する
一般的には、工期は短くしたほうが予算は安く済みます。しかし、短い工期で住宅を完成させようとすると職人の数は多くなり、効率よく動かすことが難しい場合があります。
また、年末や3月末は引っ越しシーズンであるため、引き渡しの時期に選択されることが多いですが、職人の数が確保しづらく、人件費が上がる傾向があるため注意しましょう。繁忙期でない、余裕をもった工期に設定することをおすすめします。
設備・オプションを厳選する
必須でない設備を絞ることにより、コストダウンが可能です。たとえば、和室は洋室よりも割高だといわれています。コストを重視する場合は、和室を作らないという選択が必要です。また、お金がかかりがちな水回りは、既製品でまとめることでコストダウンが期待できます。
予算をオーバーした場合でも削らない方がいい設備
希望が多すぎて、予算オーバーになった場合は、設備を削らなければなりません。しかし、快適な生活を送るために、予算オーバーでも削らない方がいい設備があります。
断熱材
室温の変化を抑える断熱材を削るべきではありません。冬は寒く、夏は暑い家になり、空調代が非常に多くかかってしまいます。建築費用は安くなりますが、毎月の生活費を圧迫することになるため、断熱材は削るべきではありません。
耐震装置
日本は地震が多い国です。住宅が壊滅的な被害を受ける可能性があるため、耐震装置はコストダウンしないことをおすすめします。
防犯設備
住宅は安心・安全が確保されていなければなりません。防犯ガラスやモニター付きインターフォンなどは、オプションになる可能性が高いです。しかし、安心・安全に直結するため、費用を追加してでも防犯設備は導入すべきです。
外構工事
外構工事は費用を削るべきではありません。庭や塀などは外から見える場所であるため、過度にコストダウンすると見栄えが悪く見えてしまいます。また、設置した庭の使い勝手が悪く、手つかずになった結果、雑草だらけになってしまいかねません。
まとめ
注文住宅の建築コストを安く済ませる方法について、詳しく解説してきました。注文住宅には、さまざまな費用がかかるため、できれば安く済ませたいものです。予算を決め、設備を絞ることで費用は抑えられることが多いです。
しかし、断熱材や耐震設備など、生活を快適にする設備は過度にコストダウンすべきではありません。必要性の低いものは省き、快適や生活や、安全性に関わる設備にはお金をかけるのが正しいコストダウンの仕方です。