安いけど建築難易度が高い!?変形地ってどんな土地?
家を建てるための土地で、あまり一般的ではない形状である場合は価格が安くなることも多いです。一般的ではない形状の土地は「変形地」と呼ばれ、家を建てるには通常とは違う手間や費用がかかる可能性があり、だからこそ価格も安くなるというわけです。変形地について、さらに詳しく紹介しましょう。
変形地ってどんな土地?
変形地とは通常とは異なる形であるということですが、具体的に次のような特徴があります。
正方形や長方形以外の形
一般的な分譲地の場合、整形され一区画は正方形や長方形になることが多いです。しかし、変形地の場合はそれ以外の台形や三角形、五角形の土地であったり、極端に細長かったり旗のような形をしている(旗竿地)場合もあります。形が変形しているだけでなく、高低差がある傾斜地なども変形地に含まれます
家を建てられないこともある
ハウスメーカーでは、あらかじめ間取り(プラン)が決められた規格住宅が主流です。規格住宅はその土地に合わせた間取りではないため、変形地では「規格外」となるケースがあり家を建てられないと断れることもあります。建てることが可能だとしても、その土地に合わせるための新たな設計費が必要になったり、建設費用が高額になったりすることもあります。
このようにスムーズに家を建てることが難しいとわかっている土地のため、売れやすいとはいえず売れ残ってしまう可能性もあるでしょう。それゆえ、同じ住宅地内の成形された土地と比較して、価格は低めに設定されることも多いです。
変形地ではどんな間取り・設計にしたらよいか
変形地であっても、家を建てられないというわけではないので、間取りや設計を工夫すれば快適に暮らすことも可能です。
凹凸部分を活かすことで快適な空間を
正方形や長方形に成形された土地に建てる場合とは違い、変形地に建てることで家は凹凸部分ができやすくなります。凹凸があると見た目にはよくないかもしれませんが、意外なメリットもあります。それは、窓を設置できる面が通常よりも多くなるということ、これは換気しやすく風が通りやすくなるというメリットです。
キッチンなどで発生するにおいを出しやすくなるうえ、こまめに行いたい換気も効率よくできるでしょう。また、家の中に風の通り道ができることで、暑い季節も快適に過ごすことができます。
余った土地は庭として活用
変形地に建てた家に凸凹部分があれば、住宅部分にできない土地が余ることになります。中途半端な土地だと残念に思うかもしれませんが、ここを庭として活用することで住宅内から眺めて楽しむことができるでしょう。変形地を活かした中庭はおしゃれであり、安心して遊ばせることができる子どもの遊び場として活用することもできるでしょう。
プライベート空間として活用
凸凹部分があることで、外からの人目が気にならないプライベート空間をつくることができます。洗濯物も気にせず干すことができるうえ、車のタイヤなどかさばるものも保管場所としても便利に使えます。
ワンフロアで広々と
正方形や長方形の土地に建てるのとは違い、変形地では住宅部分の面積が限られてしまい、部屋を分けることでひとつひとつが狭くなってしまうものです。家族が集まる共有スペースは思い切って空間を仕切らず、ワンフロアにすれば広々した印象になります。部屋と部屋との仕切りが必要な場合は、壁ではなく高さが低めの収納家具で仕切るなどすれば、圧迫感がなく狭さも感じにくくなります。
デッドスペースをいかにうまく使うかがポイント
変形地の家は凸凹部分があることで、土地を有効に使うことができないと不満に感じるかもしれません。しかし、その一見デッドスペースに思える土地を上手に活用することで、楽しく便利に暮らすこともできます。先ほど説明したように庭をつくることもおすすめですが、次のような活用方法もあります。
高低差を利用した地下スペース
傾斜地なら、その高低差を利用して地下スペースをつくるのもおすすめ、駐車スペースとして利用することもできるようです。
スキップフロアを活用
変形地に建てる家では、空間を有効活用できるスキップフロアもおすすめです。スキップフロアは変形地に建つ家や狭小住宅など、スペースが限られている家でも有効であり、スキップフロアにより高さを調節することで、空間を広く活用できるようになります。
仕切りをつくらない間取りに、段差を利用し空間をつなぐスキップフロアがあることでおしゃれな印象に、床面積も広くなるでしょう。また、スキップフロアは段差が多くなるのですが、その段差を利用した収納スペースも確保できるというメリットもあります。
変形地は通常の分譲地とは違い、家を建てるにはデメリットが多いと思われがちですが、工夫次第でおしゃれに、便利に暮らしていくことができます。デッドスペースの有効活用やスキップフロアの利用など、楽しみながらさまざまなプランを取り入れてみてください。変形地は価格も安く設定されているため、安く購入できた分を理想の空間づくりのために使ってみてはいかがでしょうか。