伝統的な和室を取り入れた注文住宅の魅力について解説!
注文住宅の建設を検討している方のなかで、和室を入れたいと考えている方はいませんか。和室は、さまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。ポイントを押さえて設計することで、快適な空間を作れます。この記事では、和室を作ることによるメリット・デメリットに加えて、快適な和室にするためのポイントを詳しく解説します。
注文住宅に和室を設けるメリット
和室と聞いて、どのような印象を受けるでしょうか。多くの人は畳を連想し、ゆったりとくつろげるスペースを思い浮かべるはずです。ゆったりとした空間は、和室を作るメリットのひとつです。詳しく解説します。
室内の空気清浄・リラックス効果が期待できる
和室に設置する畳により、空気清浄効果、リラックス効果が期待できます。畳に使われる素材のイグサは、空気中の湿度を吸収します。さらに、乾燥しているときは空気中に湿度を放出するという性質があります。したがって、畳を設置するだけで湿度を調整できるのです。
日本は高温多湿な国であるため、夏は湿度を減らし、快適に冬は少なくなりすぎた湿度を増やせると、ちょうどいい潤いの残る、快適な環境を作り出せます。さらに、ほこりを吸着する効果もあるため、空気清浄効果も期待できます。加えてイグサの独特の香りにより、リラックス効果が期待できます。
来客時の客間や寝室として利用できる
和室は急な来客に簡単に対応でき、寝室としても利用できる便利なスペースです。フローリングの洋室で過ごすと、固い床に座ることになり、お尻と足が痛くなるため、快適とはいえません。食事をする際には、地べたに食器を置くわけにもいかないため、テーブルと椅子が必要です。
一方、畳が設置された和室はそのまま座れ、寝転んでも体が痛くなりません。食事時も、テーブルひとつと人数分の座布団を用意するだけで十分にもてなせます。和室の畳は適度な弾力があるため、布団を直接引いても痛みがなく、気持ちよく眠れます。和室があると、急な来客用の部屋、寝室として活用できます。
家事スペースに丁度いい
和室は、畳により適度な弾力性が確保されているため、膝をついても痛くありません。洗濯物をたたんだり、アイロンがけをしたり、裁縫したりといった、家事のスペースとして最適です。
子供の遊び場としても最適
和室の畳がもつ弾力性により、膝をついても、転んでもけがにつながりにくく、体を痛めてしまうことが少ないです。さらに、狭いスペースで走り回っても滑りにくいという特徴もあります。したがって、子どもの遊び場としても使えます。
注文住宅に和室を設けるデメリット
多くのメリットがある和室ですが、デメリットもあります。デメリットを考慮して設計しなければ、使いづらくなり、物置になってしまうかもしれません。
定期的なメンテナンスが必須
和室は洋室に比べ、定期的にメンテナンスする必要があります。畳はフローリングと違い、掃除が難しい複雑な構造です。清掃用具を乱暴に使うと傷がついてしまう可能性もあるため、清掃時は気を使うことが多いです。一方で畳の目には、ほこりやダニが入り込みやすく、十分に掃除機をかける必要があります。
さらに、水拭きができないため、掃除機をかけてから乾拭きをする面倒さがあります。加えて、15年ほど経つと新しい畳に換える必要があり、費用が必要です。和室によくある障子は、和紙でできているため破れやすいという性質があります。子どもがいる家庭では、よく破られることになり、貼り替え費用がかさんでしまいます。
重たい家具が置きづらい
畳は弾力性があるため、重い家具を置くと凹んでしまい、戻らなくなってしまいます。重い家具を置く場合は、マットを使う対策や、足の部分にゴムをかぶせるなどの工夫が必要です。
ダニ・カビが繁殖しやすい
畳の最も大きなデメリットは、ダニやカビが繁殖しやすいことです。ダニは湿度が高い場所を好みます。高い気温も好むため、夏場などは湿度を吸収し、身を隠せる畳の目の中は、格好の隠れ場所になってしまいます。
間取りに制限が生じる場合がある
自由に使える部屋として和室を設計すると、リビングなどが狭くなってしまいます。重い家具は跡がつくため和室に置けず、リビングに設置せざるを得ない場合があります。間取りや設備に制限が生じる場合があるため、リビングなどの間取りとバランスを取ることが必要です。
快適な和室づくりをするためのポイント
メリット・デメリットを確認できたところで、和室を作るためのポイントを確認しましょう。洋室にはない特徴をもつ和室は、少し工夫を凝らすことで魅力的なスペースに早変わりします。
段差を付けて空間に変化をつける
和室を他の部屋よりも高く作ることで、特別なスペースに変えることが可能です。たとえば、小上がりにすることで、畳のある特別なスペースにできるとともに、下の部分に大容量の収納スペースを確保できます。
収納スペースを広めに確保する
和室には、収納をしっかり確保しておくことで、将来的な家族部屋として使用できます。布団などをしまえる押入れがあるとよいでしょう。和室に特徴的な天袋などのスペースを十分に確保しておくと、さまざまなものを収納できるため便利です。
引き戸などの仕切りをつけてプライベートな空間を作る
和室は、畳や障子などで他の部屋と違う雰囲気をつくり出すことが容易です。引き戸などの仕切りをつけることで、よりプライベートな空間に演出できます。
お手入れが楽な高機能畳の導入を検討する
和室の大きなデメリットであるメンテナンス性の悪さを解決するため、高性能な畳に改良するのも有効です。素材には、イグサではなく紙やポリプロピレンを使ったものが存在します。ダニやカビが発生しにくい撥水性が高いものもあるため、和室を導入する際はぜひ導入しましょう。和室に特徴的な畳の風合いはそのままに、メンテナンスの手間が少なくなります。
まとめ
和室を作ることによるメリットに加えて、快適な和室にするためのポイントを詳しく解説しました。和室には高いリラックス効果があるため、快適な空間を作りたい場合はぜひ設置したい間取りです。適度な弾力をもつ畳の性質のおかげで、けがをしにくいというメリットもあります。
しかし、メンテナンスや掃除が手間であるというデメリットがあるため、ポイントを押さえて設計しましょう。